昨日はさんざんけなした小説だけれども、ひととおり読んで、感想文を書くためにいろいろと準備していると、いろいろなテーマを発見して、奥深さを感じた。 そのテーマがまっすぐ書かれていないからやっかいだと、まぁまだけなしているんやけれども。
この小説のテーマのひとつに「言葉」がある。 言葉というのは6色のエンピツを与えられたようなもので、その6色で、自分にぴったりの色を出していくけれども、どうしても出ないもの(言葉にできないもの)があるという。 だから言葉がなくてもいいのかではなくて、自分の色を見つけるために努力をして、自分をみつめる、そういう作業が必要なのだ。
幸いにもわたしは、自分の思っていることを整理して言葉にすることは、苦にならない。 そのためにびっくりするくらい自分に投資をしているから当然といえば当然だが、でも、これはわたしの数少ない特技として、大切にしようと思う。
それにしても読書感想文は、やっかいだ。 読書感想文のために、本を読むのも文章を書くのも苦手になったという話をよく聞くがまさにそうだと思う。 学校の先生は、そういう文章を書く指導はしない。 せいぜい作文の指導だろう。 作文は、論理的な構築ではなく感性が評価される。 美しい文章、美しい内容。 でも、今、世間で求められているのは、そういうことではない。 論理的に考えることが俄か注目されているけれど、そういうことは一朝一夕に身につくものではない。 生き方そのものが問われているということに気づいた上で、入試に使ってもらいたい。 残念ながら、今のやり方では、成績のいい子がいい作文を書いてしまう構造は変わりないと思う。 |
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